ホスピタリティの知と技術
2008.10.31 Friday | category:b:ホスピタリティ理論
JUGEMテーマ:ビジネス
ホスピタリティの知は、暮らしの知であり技術です。
暮らしのなまの記憶であり、その暮らしの記憶が潜んでいたままであった、
科学や専門学問から資格をはく奪されていた知といえます。
なぜなら、それは中心化されない
知、統一化、形式化、科学化されない知の技術であったからです。
選別も分類化も規格化も階層化も近接化もなされえなかった知です。
従って、ホスピタリティ学というものはなかった、また、これからもないといえます。
個人が主観的に学だということはあり得るでしょうし、
それはそれで大切なことです。
ただし、科学とはなりえない知です。
局所的で、非連続で、正当性を認められてこなかったものですが、
中心化されることのない自律的な理論生産においてしかとられえられない知です。
共通の知とか良識とか、全員一致するなどありえない、個別的に固有な知であり、
周囲の者すべてに対して
それが個々に向けられたときにのみ自らの力が差異的に表出される、
瞬間の知であり、戦術であり、技術です。
しかも、言葉にならない語られえない心的な感覚の作用が、
純粋にではなく複雑に雑多に作用する知です。
庶民の知でも賢者の知でもありません。
専門知にさえにもなっていない、しかし、プロフェッショナルな技術として、
訓練されていないアルバイトの学生でさえ実行しうる知でもあります。
既存の分類や識別にはおさまらない知です。
ですから、誰かからの許可や禁止をうけることもない知です。
非概念的な知、洗練されていない知、素朴な知であり、認識下にある知です。
社会の善とか正しさという極めて疑わしい一般概念には非常に遠いものです。
このホスピタリティは技術でありかつ知であるということにおいて、
これまでとはまったく異なる言説創造において出現しえていくものです。
場所的な規定と述語的な規定によって規整されうるものがあるからです。
いままで、身体技術や文化技術や場所技術などにおいてなされていたが
社会の序列の中には書き込まれてこなかった、
この知と技術を、近代学問体系による思考と社会形式から脱従属化することによって、
局所的=場所的に出現させることができます。
その知を働かせうるさまざまな戦術が考えられます。
生きる知、厳しさのなかで快楽する知、生活と環境に利益をもたらす役立つ知です。
ここ10年ほどから、いろいろな場面や景色において
ホスピタリティということが言われ始めてきました。
しかしながら、活きた状態でいかなる従属化からも離れて
それが活用されるということにはなっていない、
既存の力関係の中で、
歪められ矮小化され恣意的に都合よく扱われてきたということにおいて、
環境へのかかわりと大変関連があるようにみえます。
なぜなら、商品とサービスの社会形式の力関係が、すぐそれを覆ってくるからです。
商品=物質文化もサービス=献身的奉仕も健全なことですが、
それがひとたび社会の規範と規則に巻き込まれるや、
人を拘束し束縛し不和にするものへと転じられてしまいます。
ホスピタリティとは規範や規則からはもっとも遠いものです。
ホスピタリティによって、商品もサービスも
その本来の真善美をとりもどしていくことができるのではないでしょうか。
この間、ホスピタリティに関心をしめし何らかの形で取り組んできたひとたちが、
それはホスピタリティを既存の流通や組織や交通にくみいれようとするやいなや、
それらの要素は、再コード化され、再植民地化されてしまうという事態になっています。
ホスピタリティの知の要素を失格させ、出現してきたときには無視した、
サービス社会の統一的な言説が、
ホスピタリティを併合し忘却されてきたものとして取り戻し、
自分たちの知と権力の作用に中に取り込もうとしているからです。
統一的な言説が、どこへいくのか、どのような方向なのか、
どのような統一がなされるのか、と罠のように誘ってきます。
「なす」前にいかなる結果が保証されるのかと問うそれは、
良きことがなされる恐怖であり、不安であり、苦痛以外のなにものでもありあせん。
「できるならやってみなさい」という挑戦をつきつけるだけでは、ここを脱出できません。
ホスピタリティの知の言説を創造していくことが緊急に求められています。
そして、ホスピタリティのプロフェッショナルな技術が
体系構成されていくことも求められています。
とにかく研究をつづけていこう、探究を継続していこう、
ということにしか通道はつけられません。
わたしたちなりの仕方で、
*基礎的な一般的な、生活技術におけるホスピタリティのレベル、
*プロフェッショナルに要請される技術のレベル
*マネジメントの実行において要される経済総合的なレベル
*各分野の「指導の指導」の位置におけるディレクション、
プロデューシングのレベル
において、階層的かつ種別的に、知と技術を体系化していく、
手続きにはいっています。
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